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#03 日々是口実 「泥酔日めくりカレンダー」

1年間のうちに二桁いくか行かないかの頻度で泥酔してしまう夜がある。

酒が弱いとかではない。
色々仕事が積み重なってガスを抜きすぎたり、大好きな仲間たちに囲まれて歯止めが効かなくなったりと様々な要因がある。

ポケットの中にあるスマホのカメラロールには、無数の記憶にない思い出がたまっている。
誰か知らない老人と肩を組んで満面の笑みという思い出もある。トイレの前で動けなくなった魂の抜けた友人たちの写真や、スナックのママが熱唱している映像に関しては10本ほど持っている。

失われる翌日。記憶にない思い出。

大抵の翌日は二日酔いでなかったことになる。
平日だろうが休日だろうが二日酔いでゾンビのようになる。
記憶も曖昧で楽しかった感情と鉛のように重たい体だけが翌日に残されるのだ。

昨日の記憶をたぐり寄せるようにカメラロールを開くのが泥酔翌日の日課だ。
酔覚ましの水を吹き出してしまうような写真が飛び出たり、そのイメージから浮かび上がる記憶と名言なんかが芋づる式に現実に浮上するのだ。

多くの泥酔者は反省した顔で飲みすぎたという。
それでもなお、そのような夜を重ねてしまう。

重要なポイントとしては気持ちよく飲んでる時の記憶がないという体験的な構造だ。自分自身を責めたいところだけれど記憶にない自分を責めにくい。2度とこんな失敗を起こさないために戒めを示すことで僕らは2度と同じ過ちを起こさないのではないかと思った。

2度と同じ過ちをおかさないために。

そうだ、カレンダーにしよう。

なんてことをコンコンの仲間内で話している。みんなのカメラロールの中と記憶の中にある名言を添えて、飲んだその日の写真で365日を埋めていく。12ヶ月カレンダーもすぐに作れるんだけれど、すぐできてしまう。どうせなら日めくりだと意気込んでいる。

もし、この日めくりカレンダーができた日には、日々無数の仲間たちの失敗が365日積み重なっている。それをめくる度に「今日の飲み会は気をつけよう…」と気を引き締めるに違いない。同時に記憶に残る1日を過ごしてしまったのなら今後永遠に語り継がれる怖さもある。

これにより、泥酔者の数は激減し、自己反省を重ね、キャパを超えた飲酒も起こらなくなる。

それらの飲み会を知らない人たちにとっても、こんな飲むのは馬鹿の所業だと惨劇を増やすことがなくなるはずだ。効果がすごい。

これもまた飲みすぎてダメだった日を無駄にせず、できれば笑いに変えていくための一つの工夫である。

果たして僕らの飲み会は365日埋めるほどの思い出を作れたのか。
足りないぞとなって飲み会が増えることだけは避けなけばいけない。
そして、今日もコンコンの混沌とした飲み会である。
旅立つ仲間たちを送り出す大送別会。このコミュニティにいると離れていても今頃頑張ってるかな?と気になる関係性が広がっていく。離れていても応援してます。そして、また遊びにきて欲しい。カレンダーの1ページを一緒に作りましょう。あ、あかんのかそれは。