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#05 日々是口実 「黒い服を着る理由」

松倉はいつも黒い服を着ているのなんで?

と聞かれることが多い。何かデザインとかそういう仕事をしている人は黒服の意味を知っていると思うが、たしかに他のお仕事をしている人にはわからないに決まっている。これはとても合理的な判断だなと昔ながらに思っているので今日はその話を。

黒い服の有名な理由

僕らの仕事では「撮影」がある。写真撮影でも映像撮影でもいろんな撮影が発生する。黒い服は反射しにくいというのもあって制作に関わるプレイヤーは決まって黒服を着る。色付きの服を着るとガラスだったりに映り込む、これを避けるために僕たちは黒い服を着ている。

実際は黒服でも映り込む。もう一個の理由は予測だけど現場での汚れとかが目立ちにくいという見方もできる。しゃがんだり、物を運んだり、服がガンガン汚れていく。ズボンとかバミるためのテープが無数についてくる。黒服だとそれが目立ちにくい。それも小さな理由かもしれない。

ソースこぼしてもバレない

個人的にはこれだ。僕はご飯が大好きだ。トマトソースパスタとか、どこで食っても旨い。喫茶店のナポリタンも最高だ。食べることに夢中になって食後にソースが飛び散っている。小学生かよと何度も反省してきた。お気に入りの白シャツなんて、一発でさようならだ。

黒服になってからはソースなんて気にしなくなった。ガンガン飛び散ればいい。黒にどの色を足しても黒なのだ。しょうもない理由かもしれないが、お気に入りの服が汚れる悲しさに比べたら、おめかしする日以外は黒服にしとく方がよっぽどいい。

服に迷わない!!

結果、僕のクローゼットは真っ黒な服しかないのだけれど、何より人生において服を選ぶ時間が消え去る。これは相当楽だ。あの有名な社長たちもいつも同じ服を着ていた理由と一緒だ。毎朝服を着ることに悩むならデートとかじゃない限り悩む必要はないなと思う。人生で服に悩む時間をかき消せる。

不思議だけど会社でも黒服縛りはしていないのに黒は伝染する。

社員も黒服が増えてきたり、集合写真とか黒服集団になってくる。現場でも黒服がいればスタッフだというのがすぐわかる。

こんな感じで黒い服を着るだけで色々とストレスが消え去る。

特にファッション好きでもないので、服を買うのも迷わなくなった。見てシルエットくらい。

そんなコーディネートストレスも吹っ飛ぶ。地味に黒い人=松倉なんていうイメージも刷り込まれるのでお得かどうか分からないけれどキャラクターの浸透が早い。

ファッション好きにはお勧めできなけれど、ちょっと人生のプライオリティで服選びが上位でなければお勧めな黒服縛り。唯一弱点としては、大掃除で旧・黒服と新・黒服の選別をするのだが、見た目真っ黒でどれが新旧かわからなくなる。ちなみに僕の恩師は靴下は赤という時代がずっとあった。それはそれでインパクトが絶大だったので、何か自分を記憶してもらいたい人がいれば何かに縛りを与えることでコーディネートの悩みは少しだけ軽減させることができる。